パウエルレポートの翻訳と技術解説

2020年12月23日に提出されたアメリカ大統領選におけるシステム面の不正をまとめたシドニー・パウエルの報告書。
フォレンジック調査のモデルケースとしても優れているので、レポートの翻訳に技術的な解説を加え、まとめました。

アメリカ大統領選2020

現職のトランプ大統領とオバマ政権の副大統領であったバイデン氏が争った2020のアメリカ大統領選は、映画のような展開の連続でした。

様々な種類の選挙不正、
歴代1位と2位を同時に記録更新。有権者登録数に対して多すぎる投票数、
司法や権力者に対する脅迫や買収、
しかし、結果として誕生したバイデン大統領

そして、もっとも不思議な現象は大手メディアが揃いも揃って報道しない自由を行使していたことでしょう。

我々の業界でも「これから起こるアメリカ大統領選を各国のメディアがどのように報道するか注目!」なんて前情報が有ったのですが、 まさかここまで徹底したメディアスクラムが行われるとは思いませんでした。
尚、アメリカはfoxnews、イギリスはIndependent、等が比較的正しい報道していますが、日本は全滅でした。

シドニー・パウエル報告書

2020-12-23-Sidney-Powell-Team-Binder-ZENGER-NEWS
2020-12-23-Sidney-Powell-Team-Binder-ZENGER-NEWS
元のファイルは上記サイトの下の方にダウンロードリンクがあります。

このファイルはPDF形式なのにも関わらず、構造化されておらず、コピペや検索が出来ません。
また、元データが高圧縮のJPEGファイルだったらしく、全ページにモスキートノイズがかかっていて、非常に読みづらいです。

目次
  1. 「CIFA-FBI イランの選挙妨害について警告1」
    イランは選挙人登録データを手に入れている
  2. 「CIFA-FBI イランの選挙妨害に関する警告2」
    選挙関連のシステムについて
  3. 「DHSは選挙に関するシステムを重要インフラと認定」
  4. 「マドゥロ政権による選挙妨害に関する財務省のステートメント」
  5. 「ロシアの2016年の選挙干渉に関する米上院諜報特別委員会の報告書」
  6. 「アントリム ミシガン フォレンジックレポート」
  7. 「リダクテッド宣誓書1」
  8. 「リダクテッド宣誓書2」
  9. 「ベネズエラの声明」
  10. 「米国選挙に対し外国からの干渉があった場合に課すことができる制裁措置について」
    2018年9月12日付けの大統領令「 Executive Order on Imposing Certain Sanctions in the Event of Foreign Interference in a United States Election」です。
    下記のホワイトハウスのページにも掲載されています。
    https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/executive-order-imposing-certain-sanctions-event-foreign-interference-united-states-election/
  11. 「50-USC-1702に記された大統領権限について」
    敵国と認定した場合、送金、両替、大金の持ち込み・持ち出しを禁じることができる法的根拠について
  12. 「H.I.G.への手紙」
  13. 「スイス人とオーストラリア人は米国が気づいていないScytiソフトウェアの重大な欠陥を知っている。」
  14. 「欺瞞 by peter navarro」
    ナバロレポートと同じものみたいです。
    https://navarroreport.com/

他の公開資料と重複している箇所も多いため、ポイントになりそうな箇所から順に訳していきます。
要点を抜粋して意訳しているので、転載はお勧めしません。
また、この色の箇所が補足説明になります。

以下は6です。
アメリカ大統領選で数えられた不正票で過半数を占めるものが、投票用紙を使った方法と集計システムを使った方法の2つです。
後者の集計システムが電子投票システム「ドミニオン(Dominion)」です。
各所で妨害を受ける中、実機を運よく押収できたミシガン州のドミニオンのフォレンジック調査のレポートです。

フォレンジック(forensics)は、日本ではデジタル・フォレンジックの名称で通っており、主に裁判の証拠収集の為に実施されます。
一部で使われているフォレンジック=法医学調査は完全な誤訳です。


Allied Security Operations Group

アントリム ミシガン フォレンジックレポート 第2版

報告日:2020年12月13日
クライアント :Bill Bailey
弁護士:Matthew DePerno

自己紹介
私は、テキサス州のDallas郡のRussell James Ramsland Jrです。
私はハーバード大学でMBAを取得し、デューク大学で政治学の学びました。
過去には、NASAとマサチューセッツ工科大に属し、技術的なことで政府に仕えてきました。

私は、Allied Security Operations Group(ASOG)の管理チームの一員です。
ASOGは、国防省、シークレットサービス、国土安全保障省、CIAを含む様々な分野でグローバルに活躍する専門家が集まったグループです。

目的と総括
このフォレンジック監査の目的は、2020年の選挙において、ミシガン州アントリム郡でドミニオンが、どのように機能したのかインテグリティ についてテストすることです。
※インテグリティテスト:システム監査において対象が完全性や一貫性を担保出来ているか確認すること。

調査の結果、私たちはドミニオン投票システムは 選挙結果に影響を与えるため、意図的にエラーを引き起こすよう設計されていたと結論づけました。

このシステムは意図的に大量のエラーを作ります。
これらのエラーになった票は電子投票扱いになり、裁定プロセスに移行します。
裁定には監査性や透明性が有りません。

私たちは、ドミニオン投票システムはミシガン州では使用すべきではないと結論付けています。
さらに、アントリム郡の選挙結果は認定されるべきではなかったと結論付けています。

以下は、アントリム郡で2020年選挙で集計された投票の内訳です。
同じ投票を集計した結果、11月3日と21日では結果が大きく異なっています。

アントリム郡の書記、国務長官ジョスリンベンソンは次のように述べました。

「選挙の夜のエラー(上記の表のようなトランプの票がバイデンの票へ入れ替わった現象) 選挙の前夜に地区の集計機の更新の失敗によって引き起こされた人為的なミスです。」
「集計結果は正しく反映されています。」と述べています。
が、それは、誤りです。

連邦選挙委員会のガイドラインによって認められる許容選挙エラー率は250,000票に1票(0.0008%)です。
私たちが測定したエラー率は68.05%です。

アントリム郡のサーバーのフォレンジック検査の集計ログによると 2020年12月6日以降、15,676の個別イベントが記録されていますが、そのうち10,667(68.05%)はエラーです。
この集計エラーは、投票を裁定する為の送信に繋がっています。 この高いエラー率こそ、ドミニオン投票システムに欠陥を示し、州または連邦に定められる適合性を逸脱していることを表しています。

これらのエラーは、2020年11月6日にアントリム郡書記がCFカードを使い CentralLake地区のソフトウェアをアップデートし再プロビジョニングした後に発生しました。
※CF(コンパクトフラッシュ)カード:正方形のメモリーカードの一種
※プロビジョニング:利用できる状態にすること

これは、ベンソン長官の発言が誤りだったことを裏付けています。
ドミニオン投票システムの意図的なエラーと高頻度のエラーは、アップデート前と後の双方で確認されている為、アップデートが原因ではありません。

CentralLake地区では、投票が行われた合計1,491票のうち1,222票が差し戻しになっています。
リジェクト(却下)率は81.96%です。
すべての却下された投票は結果の裁定の為に選挙職員に送信されます。

ドミニオンシステムが投票を2つに分類していることを踏まえることが重要です

1)通常の投票
2)裁定扱いになった投票

裁定扱いとなった投票は担当者によって投票を書き換えることが可能です。

投票バッチを裁定(つまり投票)するファイルは、異なる集計結果とレポート(RTR)を監査証跡のない端末間でやりとりしています。
これは、セキュリティと選挙の完全性における重大で致命的なエラーです。
それは裁定プロセスが監査性を担保していない為、管理者が実際に投票を裁定した証跡が追うことができません。
※監査性が無い=第三者的な後日検証が不可能であるとの意味

驚異的な量の投票に裁定が必要でした。
これは2020年固有の問題であり、サーバーにまだ保存されている以前の選挙では無かったことです。
意図的なエラーは、透明性や監査証跡のない大量の裁定票に繋がりました。
※「意図的なエラー」とは、エラー(誤り)ではなく、依頼された要件定義に従って設計されたシステムの仕様です。

私たちの検査したサーバーログは、この高いエラー率が過去のパターンと一致していなかったことを示しています。

これらの問題をヒューマンエラーに帰する声明は、フォレンジック調査の結果と整合性が取れません、

包括的なエラーは意図的に設計されたものです。
大量の投票をまとめて裁定扱いにするため、エラーを作り出しています。

このビデオは、裁定による不正行為を行う方法について説明しています。

ここで手順を解説する動画へのリンクが貼られていましたが12月下旬に削除されたようです。

アントリム郡はシステムを適切に更新していません。
システムのソフトウェアとハードウェアに関する基本的なパソコンのセキュリティのアップデートを故意に実行しなかったことは、 連邦法と州法が求めるセキュリティを提供する上で、不十分かつ重大な過失があったことを示しています。
この選挙管理システムが合法的に認定されるはずがありません。
ミシガン州では、連邦政府が認可する基準への完全な準拠が求められます。

システムは過去数年間の裁定ログの記録が必須です。
しかし、2020年の選挙サイクルでは、全ての裁定ログが欠損しています。

裁定プロセスは、投票を手動で票を操作する最も簡単な方法です。

同じソフトウェアのファイルは過去数年間保存されているため、今回、無いこと自体が非常に疑わしいです。
これらのファイルの削除は州法に違反します。
2020年の選挙の記録は手動で削除されたと結論付けます。

さらに、2020年11月4日午後11時3分以前の全てのサーバーのセキュリティログが消去していました。
つまり、選挙の前日、当日、翌日、のセキュリティログが全て消えていることを表しています。 セキュリティログは監査や外部からのアタックを検出するために非常に重要です。

これらのログには、ドメイン制御、認証の失敗、エラーコード、ユーザーのログインとログオフの時間、 ファイルサーバーへの接続、インターネットへの接続、データ転送、タイムスタンプなどが含まれます。
2020年11月4日より前の他のサーバーのログは残っているため、 今回のセキュリティログが消去されている合理的な説明が出来ません。

結果的に未遂に終わりましたが、2020年11月21日にも権限の無いユーザーが選挙結果を消去を試みています。

Election Event Designer Logによると、Dominion ImageCast Precinctカードは 2020年10月23日に書き換えられ、11月5日の選挙後に再度書き換えられています。
私たちの調査によると、この変更が票の集計に影響を与え、選挙結果を大きく変えることが解りました。

選挙システムの変更、ハードウェア、ソフトウェアのアップデートを行うことは、90日間のSafe Harbor期間に違反した行為です。

10月23日版と11月5日版の2つの異なるバージョンのプログラムを用いると集計結果が大きく変わります。
ソフトウェアによる票の移動の明白な証拠で有り、州長官がネットに掲載した声明は間違っています。

Dominion ImageCast Precinct (ICP) マシンはインターネット接続が可能です。
ネットワークスキャナーをICPマシンのLANポートに差し込み、マシンから送られるキャプチャーのログを読み込むことで、 異なるシステム間でデータ通信を可能にするAPIを呼び出され、 選挙管理システムのサーバーへのweb (http)接続が可能になりました。
※API=アプリケーション(アプリ)
※web (http)接続:httpと付いていますが、ホームページ用のファイルだけではなく、txtファイルやzipファイルの通信も可能です。
80番のポートを使用し送信されます。暗号化されていないので、通信路での盗聴が簡単です。

必要なファイルが削除されている為、通信先は解っていません。

高いエラー率により大量の票が担当者によって裁定されたことは解りますが、 ファイルと裁定ログが無い為、裁定が起こったタイミングと実行者は特定できていません。

調査は続いています。

しかしながら、現段階で解っていることだけでも、あまりにも重大な不正が行われており、 選挙結果は認定されるべきではないと言えます。
なぜならば、同じマシンとソフトウェアがミシガン州の48の群で使用されており、ミシガン州全体の選挙の正当性に疑問が投げかけられます。

選挙システムを含む国の重要インフラの安全を担保することはDNI(国家情報長官)の責務です。
また、選挙終了後45日以内に、国家情報長官は、外国政府あるいはその諜報員が選挙介入の可能性についての調査を行い、 それを大統領、国務長官、財務長官、国防長官、司法長官、国土安全保障長官に提供する必要があります。
※この司法長官がラトクリフ氏です。提出期限は12月18日から延長されています。

ミシガン州の裁定エラーを調査する為に、独立した組織に権限を与えることを推奨します。
これは国の安全保障の問題です。

ベネゼエラの数学者であり、現在、ミシガン州在住のGustavo Delfino教授は、 2004年にベネゼエラで行われた国民投票の時に使われた SmartMatic社の電子投票マシン(ドミニオン搭載)に脆弱性があることを主張する宣誓供述書を提出しました。

4年の研究と3年の査読を経て、Delfino教授の論文は2011年11月に「Statistical Science(Volume 26, Number 4)」誌に掲載されています。

この研究 Delfino教授は複数の数学的な手法を駆使し、2004年のベネゼエラの国民投票の結果を検証しています。
Delfino教授と彼の共同研究者は投票結果を操作するアルゴリズムだけではなく、処理の過程で不正操作のタイミングを知らせる具体的な箇所についても突き止めています。

教授によると、ベネズエラの国民投票において、公式発表と実際の票の差は1,370,000票であったとされます。
私たちの調査におけるアントリム郡の差異と同じ比率です。

A. プロセス
私たちは2020年11月27日と12月6日の2回アントリム郡を訪問しました。

11月27日
CentralLake地区、Star地区、Mancelona地区、でドミニオン投票システムとその役割について調査しました。

12月6日
アントリム郡書記官のオフィスを訪れ、下記の4点に対して、フォレンジックコピーを行いました。
※原本と複製の同一性の確保と同一性の証明が担保された定められた手続きにのったコピーのこと

ドミニオン投票システムは、世界各国に子会社を持つカナダ企業です。
同社はStaple Street Capital社に所有されていますが、そこは、UBS Securities LLCが所有しています。
UBS Securities LLCの取締役は7人のうち3人が中国国籍です。

ドミニオンソフトウェアはベネズエラのSmartmatic社にライセンスを受け、同社の支配下に有ります。
ドミニオンのサーバーは、セルビア、カナダ、アメリカ、スペイン、ドイツにあります。

B.  CentralLake地区
2020年11月27日、私たちは、ミシガン州の弁護士Matthew De Pernoが提訴した訴訟の為にミシガン州のCentralLake地区を訪問しました。
目的は、ドミニオン ImageCast Precint の調査です。

地区の事務員であるMs. Judith L. Kosloskiは、私たちにID2番の集計機から出力された2つの集計結果のRoll(紙)を見せてくれました。

一方は、  Poll Opened Nov. 03/2020 06:38:48 (Roll 1)
もう一方は、Poll Opened Nov. 06/2020 09:21:58 (Roll 2)

2020年11月5日、彼女は集計機と票を地区の書記官のオフィスに持ってくるようにと言われました。

彼らは再集計を実施し、(Roll 2)が再出力されました。
票数の違いに気づいた彼女は書記官に知らせましたが、無視されました。

(Roll 1)の出力総数は、総数1,494票
(Roll 2)の出力総数は、総数1,491票 です。
3票減ったのは、再集計の工程で破損したからです。

アントリム郡の公式の投票数は1,491票のみがカウントされ、破損した3票は最終結果に反映されませんでした。

これは選挙不正に繋がる報告です。
2つのRollを比較すると、再集計後に1,474票が変わっています。
これは投票者の総数にほぼ近い数です。

集計と再集計の比較により調整が行われていることが解りました。

Central Lake スクールでは、トータルの票に対して742票が追加されていました。
(複数人が選出される為、結果に影響は与えず)

Ellsworth スクールでは、 1人あたり2票投票できるが、合計で657票が消失し、結果的に6票(2人分)しか選挙結果に反映されなかった。

州のプロポーサル20-1 (1)では、YES回答が774票であったところ、再集計で1,083票になっています。

街にマリファナ店の設置を許可するかを問う住民投票は許可と却下が同点でしたが、再集計の際に却下が削られました。

2020年12月6日、私たちフォレンジックチームはアントリム郡の書記官を訪問しました。
そこには、2つのUSBメモリーがありました。
1つは、11月6日の選挙結果を集計するために使用されたソフトウェアを含むもの、 もう一つは、全く異なる投票結果を作り出した11月6日に使用されたソフトウェア含むものでした。

選挙に関するデータは、Dominion Democracy Suite と election management system で処理され、 Dominion ImageCast Precinct用のCFカードに投票数を計算する為のプログラムが書き込まれます。

このソフトウェアがもたらす意図的な差異は異なる選挙結果を作成する為に設計されたものです。

選挙集計に使用するソフトウェアは法に乗っ取った正確な集計を実現する為に、標準化されるべきです。
※共通した同一のルールに従い、規格や仕様を定めること

2020年11月3日、選挙当日の結果はオリジナルのソフトウェアを使用して計算されました。
11月6日、アントリム郡の書記官Sheryl Guyは2つ目のバージョンのソフトウェアを使った同じ票の再集計を監督しました。
その結果、投票に60%を超える変化が見られ、有権者数が1500人に満たないこの街の選挙結果に影響を与えました。

このエラーは、連邦法によって定められる「許容誤差:25万票に1票」の割合を遥かに超えています。

2020年9月25日 午後1:24  オリジナルの選挙プログラムの更新日
2020年10月22日 午前10:27 アップデートされた選挙プログラムの更新日

集計テープによると、2020年11月3日から11月6日の間に大量の票の入れ替えられています。
これは、USBメモリに入っていた計算方法が異なるバージョンのソフトウェアをドミニオンで使ったことで起きています。

Safe Harborは、選挙前の90日間は、システム全体の再認証の手続き無くして、選挙システムに変更を加えることを禁じています。

2020年11月6日、国務長官のJocelyn Bensonのオフィスは、
「正しい結果が集計と集計テープに反映されている。
それは、2人の民主党員と2人の共和党員で構成される選挙運動員も確認している。」とWebサイトで声明を発表しました。

この声明は間違っています。
私たちの調査によると、集計テープの結果は、異なるバージョンのソフトウェアを使うことで大きく変わりました。
この深刻なエラーが、テストで発見されなかっただけではなく、地元の書記官も見逃していたという事実は、 ドミニオン選挙管理システムに深刻な脆弱性とプロセスの欠陥があることを表しています。

C. MANCELONA地区
この地区でも、ソフトウェアのバージョンの違いによる問題がありました。
この地区の担当者は投票集計プロセスの誤りと 11月4日に2つめのバージョンのソフトウェアで投票を処理したことを認めました。
90日ルールに定められた再認証の手続きを経ていない為、ここでも選挙の認定を取り消すことになります。

2020年10月22日にドミニオンImageCastPrecinctのアップデートが実施されていれば、テスト投票による確認が行われているはずですが、その形跡はありませんでした。

D. アントリム郡書記官のオフィス
裁判所の捜査令状の下、2020年12月6日に私たちは実機の回収に立ち合いました。

証拠のうち、以下がDemocracy Suiteがインストールされたアントリム郡の選挙管理サーバー「EMS」です。

EMSはRAID1ミラーリング設定になっており、2つのハードディスクから構成されています。
つまり、2つのハードディスクに同じ情報が保存されている故障に備えた冗長化構成になっています。

EMSは、ブート用のUSBメモリを使用し起動し、forensically imagedとして抽出しました。
※通常起動してしまうとハードディスクの内容が書き換わってしまう為、 フォレンジック調査の対象となるパソコンは証拠性を確保する為に、上記のような手法で起動しイメージ化して保存します。

また、これらのドライブやCFカードは鍵のかかっていない保管庫に置かれており、管理面でも問題があります。

E.フォレンジックコレクション
私たちは、EMSを独立して検証する為にforensically sound modeで起動して、データをEWF形式で保存しました。
また、取得したデータがオリジナルの正確なコピーであるかどうかを確認するため、Ewfverifyを使用しています。

F. 検証に使用したツール
X-Ways Forensicsを利用したイメージの作成が可能であったことは、ハードディスクの内容が暗号化されてないことを示唆しています。

EMSでは、BitLockerが使われていませんでした。
※Trusted Platform Module(TPM)を用いたデータの暗号化

サーバーの概要と要約
1.Democracy Suite Softwareを使用しているパソコンは、2002HAVAとFEC投票システム基準で規定される要件も満たしていません。

2. 選挙データパッケージが保存されたUSBドライブはBitlockerで暗号化されていましたが、この調査の時点でデータは保護されていないパソコンに移動されていました。

また、OSやMS SQLサーバーのセキュリティアップデートが行われた形跡がありません。
※マイクロソフト社のデータベースソフト

以下のとおり、数多くのソフトウェアが古く、安易にハッキング可能な脆弱な状態でした。

a) コンピュータの初期設定日 2018年10月3日
b) サーバー用ソフトウェア最終設定日 2019年4月10日
c) ハードディスクがスリープ時に暗号化されていない。
d) データベースにパスワード無しでログインできる。
e) Democracy Suite の管理者用のパスワードが使いまわされた上に共有されている。
f) アンチウイルスソフトウェアは4年以上前のものである。
g) 最後のWindowsアップデートから3年以上経過している。
h) パソコンの最終設定が2019年4月10日に行われた時、Windowsの更新プログラムは2年前のものであった。
i) アドミニストレーター(管理者アカウント)が常用されている。

ハードディスクが暗号化されてないということは、書き換えが容易であることを示します。

Democracy Suite Softwareのアカウントとパスワードが閲覧制限の無いファイルに記載され、 複数の選挙システムで共有されてたということは、 投票の変更、削除、白紙投票、一括投票の変更、裁定、行為に対する監査証跡がないことを意味します。

ドミニオン選挙管理システムが運用されるパソコンで システムの変更やソフトウェアのインストールに制限がかからない アドミニストレーター権限のアカウントが常用されていました。

エラー率
私たちは、2020年11月6日の集計表を確認しました。
アントリム群の選挙ログは15,676行で構成されています。
このうち、10,667件に「重大なエラー」もしくは「警告」が有り、エラー率は68.05%になります。

合計票1491票のうち1222票が無効になっています。
リジェクト(却下)された率は81.96%です。

ミシガン州の投票システムに求められる精度要件は下記の通り
選挙制度ガイドライン(VVSG)
https://www.eac.gov/sites/default/files/eac_assets/1/28/VVSG.1.1.VOL.1.FINAL1.pdf

セクション4.1.1
許容される合計エラー率は125,000票に1票

セクション4.1.3.2
選挙管理データを保存する媒体は、22ヶ月間エラーのないデータ保持が求められる。

セクション4.1.6.1
紙ベースの投票のスキャンに伴う精度要件もセクション4.1.1に準ずる

ヒューマンエラーの起こる余地はありません。
ガイドラインの規定を遥かに超えるエラー率は、ソフトウェアによって意図的に起こされました。

高いエラー率(このケースでは68.05%)は、 特定の候補者の獲得票を2分の3~1分の3の割合で増やすなどの投票を操作する為のアルゴリズムが存在していることを表しています。

私たちは、ログを確認し、RCVとランク付き選択投票アルゴリズムが有効になっていたことを確認できました。

以下はドミニオンのマニュアルからの抜粋です。
勝たせたい候補者の数値を変更し、投票結果を操作できる機能です。